コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

アンチ基礎づけ主義 あんちきそづけしゅぎ anti‐foundationalism

1件 の用語解説(アンチ基礎づけ主義の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

アンチ基礎づけ主義

現代米国の哲学者ローティの哲学的姿勢を示す言葉。なんらかの知識の正しさを証明することを「基礎づける」というが、あらゆる知識を究極的に基礎づけうるような絶対の根拠がどこかにあると考え、それを示すことこそ哲学の使命である、とする哲学上の姿勢を、ローティは「基礎づけ主義」と呼んで批判する。「われ思う、ゆえにわれあり」を究極的に確実な真理とみなし、それを土台としてあらゆる知識を証明しようとしたデカルトなどが基礎づけ主義の典型とされるが、ローティによれば、カントフッサール論理実証主義などのこれまでの哲学は、どれも基本的に基礎づけ主義なのである。ローティは、ウィトゲンシュタイン哲学とプラグマティズムを援用しつつ、知識の究極的な基礎づけが成立しえないことを主張する。なぜなら、なんらかの知を正当化したり否定したりすることは一定の共有されたルールによってのみ可能だが、しかしそのルールは、あくまでもそれぞれの共同体によって異なる慣習的なものにすぎないからである。こうしてローティは、知の究極的根拠(真理)を確保しようとする野望を捨てるべきであると主張する点で、ポストモダン思想の立場に近づいている。

(西研 哲学者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

アンチ基礎づけ主義の関連キーワード池上鎌三カルナップギュイヨー宗教哲学生の哲学オルテガイガセーベルクソンサンタヤーナ植田清次須田豊太郎

今日のキーワード

大寒

二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の 12月中 (12月後半) のことで,太陽の黄経が 300°に達した日 (太陽暦の1月 20日か 21日) から立春 (2月4日か5日) の前日までの約 15日間で...

続きを読む

コトバンク for iPhone