大学事典 「イエーナ大学」の解説
イエーナ大学[ドイツ]
イエーナだいがく
ドイツ中部,テューリンゲン州イエーナにある総合大学。正式名称はフリードリヒ・シラー大学イエーナ(ドイツ)。1558年に開学。宗教改革の時代はルター派の中心。18世紀末から,シラー,フィヒテ,シェリング,ヘーゲルらによりドイツ観念論哲学の中心となる。ノヴァーリス,ヘルダーリン,ブレンターノや,のちにはマルクスやツァイスらが学んだ。教育学者ペーターゼンは,1924年に大学の実験校で「イエーナ・プラン」を開始した。リベラルな雰囲気は1920年代に失われ,他の大学に先立ってナチスが主導する「政治的大学(ドイツ)」の模範例となった。1934年にフリードリヒ・シラー大学イエーナとなる。第2次世界大戦終了後,1945年10月からソ連占領地区の最初の大学として再開。1946年に弁証法的唯物論研究所が設置されるなど,社会主義的大学の先駆となった。1991年のドイツ統一後の新キャンパスは,市街中心部のかつてのツァイス本社工場跡地にある。10学部で学生数は1万7500人(2016/17年冬学期)。
著者: 長島啓記
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報