イギリス情報局保安部(読み)イギリスじょうほうきょくほあんぶ(その他表記)Security Service; MI5

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イギリス情報局保安部」の意味・わかりやすい解説

イギリス情報局保安部
イギリスじょうほうきょくほあんぶ
Security Service; MI5

イギリスの情報機関。 MI5として知られる。国内安全保障と国内でのスパイ防止活動を担当する。国の安全保障を脅かす可能性があれば,どのような人物や動向でも調査する権限を与えられている。ただし逮捕権はなく,容疑者の逮捕はロンドン警視庁が行なう。エリザベス1世のもとでのちに国務大臣を務めたフランシス・ウォルシンガムが 1569年に編成した秘密情報機関が起源。 20世紀初めに諜報機能を中央集権化する必要性が認識され,1909年 MI5が発足。陸軍大尉バーノン・ケル指揮のもと,イギリス国内のドイツ人スパイ発見などに大きな成果を上げた。 MI5という呼称は当時の正式名称の軍情報部 military intelligence第5課に由来する。第2次世界大戦中は大いに活躍したが,組織内の士気が低下した冷戦期にはいくつもの失態があったことが広く知られている。組織の情報については秘密が多く,長官名が初めて公表されたのは 1991年のことである。このとき,職員数や組織構成など,それまで機密とされていた情報の一部も公表された。現在は対テロ作戦が主要な活動となっている。内務省の管轄下にある。

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