イギリス領マラヤ(その他表記)British Malaya

山川 世界史小辞典 改訂新版 「イギリス領マラヤ」の解説

イギリス領マラヤ(イギリスりょうマラヤ)
British Malaya

イギリスがマレー半島地域に形成した植民地の総称。1870年代紛争の慢性化したマレー半島に対する干渉を始めたイギリスは,74年ペラとパンコール協定を結んで,マレー人の宗教と慣習以外の問題の処理については,イギリス人理事官の助言に従うことを同国の支配者に受け入れさせた。これ以降,イギリスは,スランゴール,ヌグリ・スンビラン,パハンの紛争に介入し,ペラと同様の条約を結んだ。そして95年,以上の4カ国のマレー人支配者と連合協定を結び,翌96年それらをマレー連合州として自己の保護国とした。その後,この連合協定に参加しなかったプルリス,クダー,クランタン,トレンガヌジョホール,すなわちマレー非連合州と総称された5カ国も,しだいにイギリスの圧力を受け,20世紀初期には事実上その支配下に置かれた。そして,以上のマレー半島諸国に海峡植民地を加えた地域がイギリス領マラヤと総称された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のイギリス領マラヤの言及

【海峡植民地】より

…その結果,1896年には海峡植民地以外のペラ,スランゴール,パハン,ヌグリ・スンビランの4州がマレー連合州としてイギリスの支配下に入り,これに組み入れられなかったプルリス,ケダ,クランタン,トレンガヌ,ジョホールの5州も名目的に独立を保持するだけで,実際はイギリスの支配下に入った。海峡植民地を含めたこれらをイギリス領マラヤと総称した。 海峡植民地はマレー半島のゴム,スズの輸出に基礎を置くばかりでなく,中継貿易基地として繁栄した。…

【マレーシア】より

…ジョホール以下の5国はマレー連合州に加盟することを望まず,一括して非連合州と呼ばれた。こうして海峡植民地(3植民地),マレー連合州,非連合州(合計9国=州)がイギリス領マラヤを形成することとなった。 スズの生産についで1895年からはゴムの栽培が各地で始まった。…

※「イギリス領マラヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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