日本大百科全書(ニッポニカ) 「イワシュキェビッチ」の意味・わかりやすい解説
イワシュキェビッチ
いわしゅきぇびっち
Jarosław Iwaszkiewicz
(1894―1980)
ポーランドの小説家、詩人。ウクライナの小村に生まれ、キエフで法律と音楽を学び、ワルシャワでジャーナリスト、外交官として勤務するかたわら、詩人グループ「スカマンデル」に加わった。世紀末文学、とくにロシア象徴主義の影響下に出発し、初期の作品では、生の喜びとウクライナの自然とを豊かなイメージによって喚起したが、しだいに人間の運命に対する観照的傾向を強めた。短編『ビルコの娘たち』(1932)、長編『栄光と名誉』(1956~62)などの多くの小説、および詩集、評論がある。また、文学雑誌『創造』編集長、ポーランド作家同盟議長などとしても活躍した。
[長谷見一雄]