インストラクショナル・デザイン

大学事典 の解説

インストラクショナル・デザイン

効率的・効果的な教育を実施するためのシステマティックな手法。教育プロダクト(授業,カリキュラム,教材)を,ニーズ分析・設計・開発・実施・評価という手順を経て運用するという工学的なアプローチに基づいている。これによって教育者・学習者双方のニーズが満たされ,目標が達成されることを目的としている。第2次世界大戦中のアメリカ合衆国において,新兵教育を短期間で効率よく行うために開発された手法がもとになっている。大学がエリート段階の教育機関であった時代にIDは個々の教員に私事化されていたが,大衆化段階以降は大量の学生を効率的・効果的に教育する必要が生じ,かつICT教育が普及するのにあわせて,システム化・標準化を目指すIDの必要度は高まっている。IDの専門家であるインストラクショナル・デザイナーには,内容面での専門家と分業・連携して,一連のシステム運用を担うことが期待されている。
著者: 佐藤浩章

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報