インパクトファクター(読み)いんぱくとふぁくたー(その他表記)impact factor

デジタル大辞泉 「インパクトファクター」の意味・読み・例文・類語

インパクト‐ファクター(impact factor)

学術雑誌の重要性または影響度を定量化した指標の一。主に自然科学、社会科学分野の学術雑誌について、掲載論文年間の被引用回数から求められる。IF
[補説]ある年のインパクトファクターIは、前年の掲載論文数をA、前々年の掲載論文数をB、前年と前々年の掲載論文のうち当該年における引用回数をCとすると、I=C/(A+B)で表される。

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図書館情報学用語辞典 第5版 「インパクトファクター」の解説

インパクトファクター

引用頻度を用いて,文献群の重要度や影響力を測定するための尺度の一つ.引用影響度,影響力係数ともいう.文献群としては,1雑誌の掲載論文,1著者の執筆論文などが用いられる.1972年にガーフィールド(Eugene Garfield 1925-2017)は,雑誌の影響力を計測するために,その雑誌が引用された回数の合計をその雑誌の掲載論文数で割った値,すなわち「雑誌別の1論文あたりの平均引用回数」を利用し,この係数を引用影響度と名付けた.これはjournal impact factorで,同じ計算手法を著者別に適用するとauthor impact factorとなる.引用された回数の単純な合計で影響力を評価すると掲載論文数の多い雑誌ほど値が大きくなるので,これを補正した係数となっている.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

大学事典 「インパクトファクター」の解説

インパクト・ファクター

引用頻度を用いて個々の学術雑誌の重要度や影響力を測る尺度であり,具体的には特定の学術雑誌における直近2年間の単位論文あたりの平被引用回数をいう。ある学術雑誌の2014年のインパクト・ファクターは,2012年と2013年の掲載論文の2014年内の被引用数の総和を,2012年と2013年掲載の全論文数で除した値となる。インパクト・ファクターは,トムソン・ロイターが刊行する『Journal Citation Reports』やデータベース「Web of Science」に掲載される。研究者の評価に利用されることもあるが,研究分野や学術雑誌の性格により,引用に関する文化が異なるため,研究分野を超えた比較が困難なことや,論文ごとの引用頻度のばらつきが大きいことなど問題点も指摘されている。近年では,研究者を評価する際に,インパクト・ファクターに代わり,被引用数がh回数以上である論文がh以上あることを示す「h指数(H-index)」が用いられることも増えている。
著者: 榎孝浩

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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