ウドンコビョウキン(読み)うどんこびょうきん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウドンコビョウキン」の意味・わかりやすい解説

ウドンコビョウキン
うどんこびょうきん

子嚢(しのう)菌類、ウドンコキン科Erysiphaceaeのカビ型の植物病原菌をいう。菌は生きている植物の表面にのび広がり、表皮細胞内に、吸器とよばれる養分吸収菌糸を差し込んで、養分を奪う。菌は、絶対的活物寄生菌なので宿主細胞を殺さないが、被害葉は黄変し、萎縮(いしゅく)する。うどん粉状の白粉はオイジアとよばれる分生胞子で、春から秋にかけて形成される。秋になると白い菌糸層の中に黒い小粒状の子嚢殻をつくり、その中に子嚢胞子を形成して越冬する。子嚢殻の表面にはさまざまな形の付属糸とよばれる菌糸をつける。その形はウドンコビョウキンの分類基準となる。日本では10属、100種ほどが記録されている。各種の農作物果樹園芸作物、林木、雑草に寄生し、よく目だつ病気であり、実害も少なくない。英語でpowdery mildew fungiという。

[今関六也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

106万円の壁

会社員に扶養されるパートら短時間労働者は年収106万円以上になると厚生年金保険料などの負担が生じて手取りが減る。将来の年金額は手厚くなるが、働き控えを招く「壁」とされ、企業の人手不足の要因となる。厚...

106万円の壁の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android