化学辞典 第2版 「ウリカーゼ」の解説
ウリカーゼ
ウリカーゼ
uricase
EC 1.7.3.3.ユリカーゼともいう.尿酸を酸化してアラントインに分解する反応を触媒する酵素.基質特異性が高い.
尿酸 + O2 + 2H2O → アラントイン + CO2 + H2O2
ヒトや霊長類にはその存在は知られていないが,ほかのほ乳動物には認められている.とくに尿中にプリンの代謝産物として,前者では尿酸そのものが排泄され,後者ではアラントインが排泄されていることが知られている.ブタの肝臓より単離された酵素は,補欠分子族として銅を含んでおり,分子量は12.2×104 とされている.反応の至適pHは9.5付近にあり,ジチゾン,1,10-フェナントロリン,2,2-ビピリジル,チオ尿素やN,N-ジエチルジチオカルバミン酸エステルなどで賦活化されるが,重金属(Cu,Mn,Co,Zn,Ni,Fe)により阻害され,シアンでは不可逆的に阻害される.基質特異性の高いことを利用して,尿酸の定量法にも利用される.[CAS 9002-12-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報