エウプロテス(読み)えうぷろてす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エウプロテス」の意味・わかりやすい解説

エウプロテス
えうぷろてす

原生動物の繊毛虫門多膜綱下毛目の1属Euplotes総称大部分が淡水産。卵形で体長80~200マイクロメートル。腹側は扁平(へんぺい)で背側は隆起し、体は硬く運動中も変形しない。口の片側に囲口小膜、腹側に繊毛が筆の穂先状にくっついた棘毛(きょくもう)cirriをもつのが特徴。大核は、C字形をしたソーセージ状。同型接合による有性生殖がみられるが、単純なプラスとマイナスの関係ではなく、エウプロテス・ワンヌスE. vannusでは交配実験から五つの接合型が知られている。棘毛を脚(あし)のように使って小走りに動き回り、自発的または逃避的に後方へすばやく跳びはねるのが行動の特徴。棘毛の位置および数が分類の標徴となる。遊泳は体を回転させながら螺旋(らせん)軌跡を描く。餌(えさ)は細菌珪藻(けいそう)などである。

[堀上英紀]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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