エドテック(読み)えどてっく(英語表記)EdTech

翻訳|EdTech

デジタル大辞泉 「エドテック」の意味・読み・例文・類語

エドテック(edtech)

《education(教育)+technology(科学技術)からの造語インターネットなどオンラインシステムを活用した教育サービスのこと。MOOCムークゲーミフィケーションLMSなどが知られる。エデュテック

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「エドテック」の解説

エドテック

ICT(「情報通信技術」のこと。コンピューター技術の活用に着目する)を駆使して、従来の教育の仕組みやビジネスモデル、学習方法などを革新させること。あるいはそれらサービスを指す。
EdTechとは、「Education(教育)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語で、インターネットやICT技術を活用して、低コストで高品質の教育を提供できる点が、これまでの教育と大きく異なる。
EdTechの基となったのは、「カーンアカデミー(Khan Academy)」だといわれている。カーンアカデミーは、YouTubeを使って、学習用動画を無料配信している非営利団体であり、米国サルマン・カーン(Salman Khan)によって、2006年に創設された。
EdTechの代表例としては、世界中に広がる大規模な無料オンライン講座「MOOC(ムーク)」が挙げられる。MOOCは、インターネット上の無料講座を受講し、修了条件を満たすと修了証が取得できる仕組みであり、インターネット環境さえあれば、誰でも受講が可能である。また、講義担当者に質問したり、受講者同士で議論したりといった、双方向の仕組みを備えている点も大きな特徴だ。
最新のEdTechツールには、VR(仮想現実)を使い、博物館や宇宙空間を体験したり、カエル心臓を取り出したり、車のエンジンを組み立てたりといった体験ができるものもある。
EdTechは、貧困による教育格差を是正し、教育の機会均等を目指す有効な手段としても注目されており、世界的に有名な米国の調査・コンサルティング会社「MarketsandMarkets(マーケッツ&マーケッツ)」社によると、EdTechのような、ICTを用いた教育市場の世界全体の規模は、15年の約1052億ドルから、20年には約4468億ドルに拡大するとみられている。日本国内でも、日本のMOOCであるJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)が13年に設立された他、様々な企業によって、資格対策、幼児教育、英語教育、プログラミング教育などといった幅広い教育ジャンルでのEdTechサービスが展開されており、今後更なる拡大が期待される。

(横田一輝 ICTディレクター/2017年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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