20世紀西洋人名事典 「エミールブートルー」の解説
エミール ブートルー
Émile Boutroux
1845.7.28 - 1921.11.22
フランスの哲学者。
元・ソルボンヌ大学教授。
モンルージュ生まれ。
別名Etienne Emile〉 エティエンヌ・エミール(Boutroux ブトルー。
唯心論的実在論の主唱者J.ラシュリェに師事、又ドイツ哲学をハイデルベルク大で学ぶ。1877年高等師範学校哲学教授を経て、1888〜1907年ソルボンヌの近代哲学史教授。彼の哲学は科学の主張する自然の因果的必然性を越えて、質的観点から自然の運動のうちに目的を見るとともに、自然的存在から人間に至る諸段階に、漸増する偶然性と進歩を跡づけることで、唯心論的存在論を説いた。哲学史家、教育家としても優れ、ベルクソン等気鋭の哲学者を育てた。著書「自然法則の偶然性」(1874年)、「現代哲学における科学と宗教」(1908年)等。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報