日本大百科全書(ニッポニカ) 「オウトウハマダラミバエ」の意味・わかりやすい解説
オウトウハマダラミバエ
おうとうはまだらみばえ / 桜桃翅斑果実蠅
Japanese cherry fruit fly
[学] Rhacochlaena japonica
昆虫綱双翅(そうし)目短角亜目ハエ群ミバエ科に属する昆虫。体長5.5~6ミリメートル、翅長6ミリメートル内外。頭部は黄褐色で前額(ぜんがく)眼縁剛毛は上が1対、下が3対。顔面はやや白っぽく、1対の卵形の褐色紋がある。後頭部上半には1対の大きな褐色紋がある。胸部の地色は黒褐色で灰色の微粉を装い、肩瘤(けんりゅう)からはねの基部に向かって汚黄色条が走る。横線前剛毛はなく、中胸上側背板には繊細ながら長い毛がある。小楯板(しょうじゅんばん)は黄褐色で基部背面は暗色、中胸分割甲は黒色。はねは透明で、径中(けいちゅう)横脈は第1径脈末端よりも内方で、第2中室の中央に位置する。はねの斑紋(はんもん)は黒褐色。腹部は暗褐色で、第2節から第4節の後縁寄りには帯黄色の三角形紋がある。脚(あし)は一様に黄褐色で斑紋はない。北海道と東北地方とでサクランボの害虫として有名。1年に1回発生し、成虫は5~6月に現れ、好んでサクランボの樹幹に集まり、果実に産卵する。幼虫期は7~11日で、地中に入って蛹(さなぎ)となり、越冬する。
[伊藤修四郎]