デジタル大辞泉
「内方」の意味・読み・例文・類語
うち‐かた【内方】
1 うち。家の中。
「女房と母親のみは去るべきところなければ―に残り居れば」〈露伴・辻浄瑠璃〉
2 商家で、店に対して家族の生活している所。
「でっちは、又―へ聞こゆる程手本読みて手習ひするは」〈浮・胸算用・二〉
3 他人・相手の家の敬称。お宅。
「卒爾ながら久作様は―でござんすかえ」〈浄・歌祭文〉
4 他人の妻を敬っていう語。奥方。
「―は悋気深し」〈浮・一代女・四〉
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うち‐かた【内方】
〘名〙
① (「うちがた」とも)
宮中。または、宮中に仕える人々。天皇付きの人々。内裏がた。
※栄花(1028‐92頃)花山たづぬる中納言「長日の御修法・
御読経などうちがたよりも始めさせ給ひ」
② 妻をいう。他人の妻に対してその敬称として用いられることが多い。
裏方。内儀。内君。ないほう。
※小右記‐正暦元年(990)七月二一日「内方今夕為違方忌度室町」
※天草本平家(1592)四「コノ ヒト ドモノ vchicatayori(ウチカタヨリ) コソ トキドキ トイマラスレ」
③ 他人の家の敬称。貴家。お宅。
※浮世草子・好色五人女(1686)二「内かたのお腰もとおせんが」
※狂言記・相合袴(1660)「いゑ、内方に御ざりまするよ」
⑤ 店に対して、家族のいる奥の方。奥の間。勝手向き。
内証。
※浮世草子・
世間胸算用(1692)二「でっちは、又内かたへきこゆる程手本よみて手ならひするは、其身の徳なり」
⑥ 物の内側のさしわたし。うちのり。
⑦ 物事の内部や内面。
※
評判記・
難波物語(1655)「今は、内かたにおぼしめし入たるかたありて」
ない‐ほう ‥ハウ【内方】
〘名〙
② (「内宝」とも) 他人の妻を敬っていう語。内室。うちかた。
※宇津保(970‐999頃)楼上上「滋野の王ふるの
朝臣のないはうは、我がをばにいまそかりし宮也」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報