オオチャワンタケ(読み)おおちゃわんたけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオチャワンタケ」の意味・わかりやすい解説

オオチャワンタケ
おおちゃわんたけ / 大茶碗茸
[学] Peziza vesiculosa Fr.

子嚢(しのう)菌類、チャワンタケ目チャワンタケ科の食用キノコ。茶碗形のキノコであるが、普通、数個が押し合って生えるので、形は不規則にゆがめられる。径3~5センチメートル、外面は白っぽく、内部淡褐色で、ここに子実層が発達し、無数の子嚢が形成される。子嚢は円筒形、内部に、楕円(だえん)形で無色、大きさ20~23マイクロメートル×11マイクロメートルほどの胞子を縦一列に納める。春から秋にかけて、腐った藁(わら)、畑などに生える。分布は広く、日本をはじめ世界各地。

[今関六也]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のオオチャワンタケの言及

【チャワンタケ】より

…皿の全表面には子囊という胞子を入れた袋が上向きに並んでおり,風などの刺激により中の胞子が一斉に煙を吹き出すように放出される特性をもっている。オオチャワンタケPeziza vesiculosa Fr.(イラスト)は腐ったわらの上や古畳などの上に生じ,不規則にゆがんだ大型茶わん状の子実体で,白みがかった茶色である。ヒイロチャワンタケAleuria aurantia (Fr.) Fuckel(イラスト)は林地の土の上に多く,直径1~4cmの茶わん状の子実体をつくり,朱紅色~朱黄色。…

※「オオチャワンタケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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