オンサーガー方程式(読み)オンサーガーほうていしき(その他表記)Onsager equation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オンサーガー方程式」の意味・わかりやすい解説

オンサーガー方程式
オンサーガーほうていしき
Onsager equation

デバイ=ヒュッケルの理論によれば電解質溶液中で陰陽両イオンはクーロン相互作用により,それぞれのイオンが,球状に分布した反対符号の荷電イオンによって包まれている。このように球状に分布したイオン群をイオン雲という。電解質溶液に電場を加えたとき,電場の方向は中心イオンとその周囲に分布している反対電荷のイオン雲とに反対方向の効果を及ぼすはずである。このようなイオン雲の効果を考えて強電解質溶液の当量電気伝導率濃度による変化を示すために L.オンサーガーによって導かれた式 (1927) をオンサーガー方程式という。濃度 c および無限希釈度における当量電気伝導率をそれぞれ ΛcΛ0 とすると ΛcΛ0-(p0)√c となる。ここで pq溶媒,電解質の種類,温度などで決る定数である。ただし,この方程式が成立するのは希薄溶液に限られ,濃度が大きくなると補正を要する。

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