カイネチン

百科事典マイペディアの解説

カイネチン

化学式はC1(/0)H9N5O。6−フルフリルアミノプリン。植物ホルモンの一種。タバコやニンジンの培養細胞の分裂や分化を促進する物質として,1955年にF.スクーグらがDNAの古くなった分解物から発見。天然の植物からは,見出されていない。植物細胞の分裂および茎葉への分化の促進,根成長の阻止,側芽形成や葉緑素合成の促進,休眠解除,老化阻止などの作用を示す。天然に存在する植物ホルモンで,同様の作用をもつ物質はサイトカイニンと総称される。

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大辞林 第三版の解説

カイネチン【kinetin】

植物ホルモンの一。化学式 C10H9N5O 細胞分裂の促進、発芽促進、老化抑制などの生理作用をもつ。 → サイトカイニン

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世界大百科事典内のカイネチンの言及

【サイトカイニン】より

…このカルスを継続的かつ継代的に増殖させるためには,培地に栄養素,オーキシンのほかに,ココナッツミルク,ニシンの精子,酵母の加水分解物などを添加することが必要である。1955年アメリカのスクーグFolke Skoogらのグループは,大量の酵母DNA加水分解物を精製して,カルスの増殖を促進する活性を有する物質を単離し,これをカイネチンkinetinと命名,それが6‐フルフリルアミノプリンであることを証明した。その後,高等植物にもカイネチン様活性を有する物質の存在が多数の研究者によって示され,1964年にリーサムD.S.LethamとミラーC.O.Millerが独立に新しいカイネチン様物質ゼアチンzeatinをトウモロコシから単離し,その後も多数のカイネチン様物質が植物から単離された。…

【発生】より

…挿木の切穂にオーキシンのような生長調節物質を与えると,根の形成が促進されたり,ふつうは根をつくらないような挿木に根ができたりすることは園芸上よく知られている。また,カイネチンは芽の形成に有効であることが示され,そのほかジベレリンやショ糖のような物質も,組織に応じて特異な作用を示す。発生の調節には,これらの物質の絶対濃度よりは,むしろ相対的な濃度が重要であることが示唆されている。…

※「カイネチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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