カツラ科(読み)かつらか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カツラ科」の意味・わかりやすい解説

カツラ科
かつらか
[学] Cercidiphyllaceae

双子葉植物、離弁花類。落葉高木。カツラ属のみからなり、カツラとヒロハカツラが日本と中国に現生するだけであるが、化石では白亜紀以後多くの種類が知られ、北半球温帯に広く分布していたものである。雌花は3~5枚の包葉と同数の心皮からなる。これは、1枚の包葉とそのわきの1個の心皮が一つの花で、それが3~5個集まった花序と考えられる。このような構造はヤマモモ科(APG分類:ヤマモモ科)やクルミ科(APG分類:クルミ科)の花の構造と類似し、古い性質を残しているものと考えられる。果実は袋果(たいか)で、多数の小さな翼のある種子をもつ。

山崎 敬 2020年5月19日]

 APG分類でもカツラ科とされる。

[編集部 2020年5月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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