日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カニンガム(Alexander Cunningham)
かにんがむ
Alexander Cunningham
(1814―1893)
イギリスの軍人でインド考古学の開拓者。詩人アラン・カニンガムの次男としてスコットランドに生まれる。士官学校卒業後の1833年、技術少尉としてインドのベンガルに赴任。王立アジア協会幹事のプリンセプと知り合い、インド遺跡の学術調査の必要を提唱した。61年に軍務を退き、70~75年までインド考古調査局初代総裁となり、23冊に及ぶ調査報告のほか、『インド古代の歴史地理』『碑文集成』『ビルサ塔群』や古銭学関係の論文も多く、ガンダーラやサーンチー大塔の発掘など、インド北部、東部の仏教遺跡の研究に業績を残した。
[江谷 寛]