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カンデル Kandel, Eric

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カンデル
Kandel, Eric

[生]1929.11.7. ウィーン
オーストリア生れのアメリカの神経科学者。 1956年ニューヨーク大学医学部で博士号を取得。 60~64年ハーバード大学医学部の精神科研修医として研究者の道に入り,65~74年ニューヨーク大学生理学・精神医学部準教授,74年コロンビア大学生理学・精神医学部教授,92年より,同大学生化学・分子生物物理学部教授。この間 1974~83年同大学神経生物学・行動学研究センターの研究部長,84年からはハワード・ヒューズ医学研究所上級研究員を兼務。アメフラシやナマコを使った研究で,学習過程や記憶においてシナプスの変化が中心的役割を果していること,短期的記憶と長期的記憶においては情報伝達経路に違いがあることなどを発見,そこに分子機構を見出した。 2000年,これらの神経系の情報伝達に関する研究により P.グリーンガードおよび A.カールソンとともにノーベル生理学・医学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カンデル
かんでる
Eric R. Kandel
(1929― )

アメリカの神経科学者。オーストリアのウィーンに生まれる。1939年ナチスの迫害を避けアメリカに移る。1952年ハーバード大学卒業。1956年ニューヨーク大学医学部卒業。モンテフォーレ病院での臨床研修後、国立精神衛生研究所で研究。1960年ハーバード大学医学部マサチューセッツ精神衛生センター精神科医、1963年同大学講師。1965年ニューヨーク大学準教授。1974年コロンビア大学教授となる。1984年よりハワード・ヒューズ医学研究所研究員を兼任。
 記憶の分子機構を解明するために、ウミウシのえらに対する防御反応を実験系として確立した。記憶には、弱い刺激に対して増強効果が数分から数時間持続する「短期記憶」と、より強い刺激に対して増強効果が数日から数週間持続する「長期記憶」が存在することを発見。また、短期記憶はタンパク質のリン酸化によって生じているのに対し、長期記憶は新規タンパク質が合成され、シナプスの形状が変化することにより生じていることを明らかにした。記憶の分子機構が、ウミウシのみならず哺乳類にも共通して存在することを証明し、記憶が神経細胞のシナプスの変化によって生じることを提唱した。これらの業績により、A・カールソン、P・グリーンガードとともに2000年のノーベル医学生理学賞を受賞した。[馬場錬成]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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