ガリウムヒ素集積回路(読み)ガリウムヒそしゅうせきかいろ(英語表記)GaAs-integrated circuit

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガリウムヒ素集積回路」の意味・わかりやすい解説

ガリウムヒ素集積回路
ガリウムヒそしゅうせきかいろ
GaAs-integrated circuit

GaAs (ガリウムヒ素) を基本材料とする集積回路 (IC) 。 Si (ケイ素) ICに比べ高速動作特性に優れ,光素子との集積化が容易であるなどの特長を持つ。高速計算機用のデジタル IC,マイクロ波・ミリ波増幅用の MMIC,電子回路と光素子を混載した OEICに代表される。 GaAsICの優れた特長は結晶物性に由来している。すなわち,(1) 移動度が Siの5~6倍で,電子の最大ドリフト速度も Siの2~3倍である。 (2) 禁制帯幅が大きく,半絶縁性結晶が存在する。 (3) Siと異なり直接遷移形半導体であるので,高効率の発光素子を製作できる。また,(4) ヘテロ接合が容易にできるので,素子設計の自由度が大きい。一方,Siに比べ熱的安定性に欠け,二酸化ケイ素のような安定な熱酸化膜がないので,製作プロセスが複雑になるという欠点を持つ。

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