キクロペス(読み)きくろぺす(その他表記)Kyklopes

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キクロペス」の意味・わかりやすい解説

キクロペス
きくろぺす
Kyklopes

ギリシア神話のティタン(巨人族)の一つ。キクロプスKyklopsの複数形。ホメロスによれば、世界の辺境シチリアか)に住む一つ目の野蛮な人食いで、普段は牧畜を業とする。オデュッセウスはこれに捕らえられて部下を食われるが、策略を用いて脱出に成功。一方ヘシオドスにおいては、ウラノスとガイアの子のブロンテス、ステロペス、アルゲスの3人をいう。やはり一つ目で稲妻をつかさどり、鍛冶(かじ)の名工でもあった。父ウラノスにより冥界(めいかい)に幽閉されるが、クロノスに解放されてその覇権奪取を助け、ついでクロノスにも幽閉されるが今度はゼウスによって解放された。ゼウスに稲妻と雷鳴を武器として供給し、その支配権確立に力となった。

[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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