キッド(William Kidd)(読み)きっど(英語表記)William Kidd

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キッド(William Kidd)
きっど
William Kidd
(1645?―1701)

イギリス海賊。通称キャプテン・キッドスコットランドに生まれる。アメリカに渡って船長、船主となり、1689年から2、3年間私掠(しりゃく)船長として海軍のために働いた。95年たまたま商用でロンドンに赴いた際、インド洋方面の海賊掃討船の船長に選ばれ、96年アドベンチャー(冒険)号を率いて出航、マダガスカル島近海を経て、97年インド洋に入ったが、成果は思わしくなく、かえって自ら商船を襲って海賊行為を働くに至った。98年海賊の根拠地マダガスカル島で乗船をかえ、翌年カリブ海に入り、ボストンに上陸したところを捕らえられ、本国で裁かれたうえ処刑された。彼が隠匿したとされる財宝に関しては小説などによく取り上げられている。

松村 赳]

『別枝達夫著『キャプテン・キッド』(中公新書)』

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