キレーエフスキー(Pyotr Vasil'evich Kireevskiy)(読み)きれーえふすきー(英語表記)Пётр Васильевич Киреевский/Pyotr Vasil'evich Kireevskiy

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

キレーエフスキー(Pyotr Vasil'evich Kireevskiy)
きれーえふすきー
Пётр Васильевич Киреевский/Pyotr Vasil'evich Kireevskiy
(1808―1856)

ロシアのフォークロア民間伝承採集家、スラブ派スラボフィル)の評論家。イワン・キレーエフスキーの弟。モスクワ大学で学んだのちドイツのミュンヘンに留学。1820年代中葉から生涯にわたってロシア各地のフォークロアを採集した。彼のコレクションは歴史的、文化的に高い価値をもつばかりでなく、プーシキン、ゴーゴリら19世紀前半のロシアの著名な文学者たちがその採集に協力したことでも名高い。集められた資料は主として彼の死後順次刊行された。また1840年代の西欧派・スラブ派論争では兄イワン、ホミャコーフらとともにスラブ派の論客として論陣を張った。

[長與 進 2018年11月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例