クマケムシ(読み)くまけむし(英語表記)woolly bear

翻訳|woolly bear

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クマケムシ」の意味・わかりやすい解説

クマケムシ
くまけむし / 熊毛虫
woolly bear

昆虫綱鱗翅(りんし)目ヒトリガ科の昆虫の一部の幼虫名称。ヒトリガ科のなかには幼虫が黒色の毛に覆われた種がある。イギリスでは、日本にも分布しているヒトリガが路傍スグリなどに寄生し、ごく普通に草むらにみられ、蛹化(ようか)前に適当な場所を求めてむくむくと歩くところがみられ、表記のような「毛深い熊」という意味の英名でよばれている。日本ではヒトリガは局所的で、幼虫はあまり人の目に触れないが、シロヒトリが各種の雑草につき、全国的に普通種なので、このような黒毛に覆われたケムシを一般にクマケムシとよんでいる。

[井上 寛]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クマケムシ」の意味・わかりやすい解説

クマケムシ

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のクマケムシの言及

【ヒトリガ(灯蛾)】より

…体は黒く,長毛に覆われ,老熟したものが蛹化(ようか)の場所をさがすため,地上を歩く姿がイギリスではごくふつうに見られるので,woolly bearと呼ばれている。日本では,この種類はあまりおらず,日本でクマケムシと呼ばれている毛虫は,同じように雑草を食べるシロヒトリSpilosoma niveumの幼虫のことで,この種では,黒毛の先がヒトリガと違って白い。成虫は体翅とも純白で,腹部背面に黒紋を連ね,側面が赤い。…

※「クマケムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android