コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

クラッパム

3件 の用語解説(クラッパムの意味・用語解説を検索)

百科事典マイペディアの解説

クラッパム

英国の経済史家。《近代イギリス経済史》(全3巻,1926年−1938年)において,それまでの産業革命が革命の名に値する激変であり,そのもたらしたものは労働者の困窮であったとしてその暗い側面を強調するA.トインビー以来の通説に対して,統計資料を利用して,むしろそれは連続の過程としてとらえねばならず,またそれは労働者の生活水準を引き上げたとして,産業革命に対する楽観説をとり,いわゆる〈クラッパム派〉を形成する起点を提供した。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

クラッパム【John Harold Clapham】

1873‐1946
イギリスの経済史家。ケンブリッジ大学における初代の経済史学講座教授(1928‐38)。1926年出版の《近代イギリス経済史》(全3巻,1926‐38)第1巻において,A.トインビー以来定着していた〈悲観説〉的な産業革命論に対して産業革命の明るい面を描き出し,それがむしろ労働者の生活水準を引き上げたとする〈楽観説〉派の起点となった。その研究方法が記述史料よりも,統計的なデータを重視していたことも大きな特徴である。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クラッパム
くらっぱむ
John Harold Clapham
(1873―1946)

イギリスの経済史家。ケンブリッジ大学に学び、リーズ大学経済学教授を経て、1928~38年ケンブリッジ大学の初代経済史教授を務めた。経済史研究に初めて数量的方法を組織的に適用した『近代イギリス経済史』An Economic History of Modern Britain3巻(1926~38)は、いまなおこの分野における最高水準の研究とされている。産業革命については、当時の労働者階級の実質賃金の上昇を統計的に示して、その明るい面を強調し(産業革命の楽観説)、A・トインビー以来の悲観説に反対した。また、イングランド銀行創立250年を記念して執筆した『イングランド銀行史』The Bank of England : A History2巻(1944)も名著とされている。40年イギリス経済史学会会長に就任し、同年ナイトに叙された。主著には前掲のほか『フランスとドイツの経済の発達 1815―1914』The Economic Development of France and Germany 1815―1914(1921)がある。[根本久雄]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のクラッパムの言及

【産業革命】より

… しかし,資本主義世界が相対的に安定した1920年代になると,産業革命がもたらした現代社会への肯定的姿勢が強くなり,近代経済学的な発想法の影響もあって,〈楽観説〉が成立する。実質賃金統計などを作成してみると,労働者の生活水準は,産業革命期にもむしろ上昇しているとするこの立場は,J.H.クラッパムによって整えられ,T.S.アシュトンらに受け継がれて,欧米では通説の位置を占めた。産業革命前の社会も,悲観説が想定したほどのパラダイスではなかったし,〈産業革命〉と呼ばれている現象自体,数世紀にわたる連続的な変化の集合であって,短期の〈革命〉的激変などではない,というのが楽観説派の立場である。…

※「クラッパム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

クラッパムの関連キーワードイギリス経験論ギゾー経済史イギリスオランダ戦争英国イギリス巻イギリス組曲小松芳喬吉岡昭彦イギリス鞍 (English saddle)

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

クラッパムの関連情報