クレメント(読み)くれめんと(その他表記)Hal Clement

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クレメント」の意味・わかりやすい解説

クレメント
くれめんと
Hal Clement
(1922―1988)

アメリカのSF作家。ハイスクール理科の教師を務めるかたわらSFに手を染め、1942年処女作『プルーフ』を発表した。エーリアン、つまり異星人テーマに終始一貫して取り組むSF作家だが、異星生物を単に興味本位の化け物としてとらえず、科学的考証のうえにたって、高い知性をもった人類の協力者として描くところに特色がある。『重力への挑戦』(1954)は、地球の重力の700倍の惑星と、そこに生息するムカデのような異星人を、『窒素固定世界』(1980)では、海水大気が変化して事実上異星と化した未来の地球の生態系と、その地球の調査に訪れる異星人を登場させ、その迫真描写はハードSFの典型である。また、『二十億の針』(1950)は、ゼリー状の半液体生物を主役にした犯人探しのSFミステリーである。続編『一千億の針』(1978)がある。

厚木 淳]

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