日本大百科全書(ニッポニカ) 「クロナガオサムシ」の意味・わかりやすい解説
クロナガオサムシ
くろながおさむし / 黒長歩行虫
[学] Carabus procerulus
昆虫綱甲虫目オサムシ科に属する昆虫。本州と九州北部山地に分布する。体長25~32ミリメートル。黒色で細形。上ばねは長くて光沢がなく、きわめて細く弱い隆線が縦に並び、3行置きにやや明らかで、ところどころで中断し鎖線状になっている。低山地から山地にかけ、森林とその周辺の地表にすみ、おもに日中は倒木や石の下や土中に隠れ、夜活動し肉食。秋に産卵するらしく、幼虫は地中で越冬し翌春成虫になる。成虫も年中おり、冬は地中や朽ち木の中で過ごす。近畿地方や東海地方の平地には大形のオオクロナガオサムシC. kumagaiiがいる。また、四国、九州にも別種が産する。
[中根猛彦]