ケプラー452b(読み)けぷらーよんごーにびー(英語表記)Kepler-452b

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケプラー452b」の意味・わかりやすい解説

ケプラー452b
けぷらーよんごーにびー
Kepler-452b

ケプラー宇宙望遠鏡による系外惑星探査において、2015年7月23日にNASAアメリカ航空宇宙局)によって発表された、もっとも地球に似た系外惑星。これ以前にも地球に似た系外惑星として、ケプラー186fなどが発見されている。しかし、ケプラー186fの母星がM型赤色矮星(わいせい)であったのに対し、ケプラー452bの母星(ケプラー452)は太陽と同じG型主系列星であり、地球との相似性が高いと考えられている。

 ケプラー452bが周回するケプラー452は、はくちょう座にあり、地球からの距離は約1400光年である。ケプラー452bの公転周期は約385日、軌道長半径は1.046AU(天文単位)で、ケプラー452のハビタブルゾーン内側にある。半径は地球半径の1.6倍程度と考えられている。母星の年齢は約60億年程度とみられ、太陽より15億年程度進化が進み、ケプラー452bは地球より10%程度多くエネルギーを受け取っていると考えられる。それゆえ、ケプラー452bが地球と同じ質量であるとすれば、温室効果のために、表面の水が蒸発してしまうことになる。しかしケプラー452bが地球の約1.6倍の大きさをもち、同じ密度をもつとするならば、質量は地球の約5倍になり、その重力でまだ水を保持している可能性がある。

[編集部 2023年12月14日]

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知恵蔵mini 「ケプラー452b」の解説

ケプラー452b

地球から約1400光年離れた恒星・ケプラー452の周りを公転している太陽系外惑星。2015年、アメリカ航空宇宙局(NASA)がケプラー宇宙望遠鏡によって発見した。ケプラー452bの大きさは地球の約1.6倍で、地球と同じ岩石惑星である可能性が高いとされている。主星である恒星のケプラー452は太陽によく似ており、ケプラー452bはその惑星系のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)を地球に近い約385日周期で公転している。ケプラー452bを取り巻くこれらの環境は、NASAがこれまで発見した太陽系外惑星の中で地球に最もよく似ていることから、同惑星は科学者らによって「第2の地球」「地球のいとこ」とも称されている。

(2015-7-28)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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