戦争の違法性を確定した最初の実定国際法。正式名称は「戦争放棄に関する条約」。不戦条約、パリ不戦条約ともよばれる。1927年4月6日フランス外相ブリアンは、アメリカ合衆国国民に戦争違法化条約を提案し、6月20日草案を公式に提示した。ヨーロッパの安全保障にアメリカをかかわらせようとするブリアンの意図を危惧(きぐ)したアメリカ国務長官ケロッグは、12月28日これを多国間条約として逆提案した。国際的平和世論の強い関心のうちに主要国の交渉は進展し、1928年8月27日パリで日本を含む原加盟15か国が調印し、1929年7月24日発効した。「締約国ハ、国際紛争解決ノ為(ため)戦争ニ訴フルコトヲ非トシ、且(かつ)其(そ)ノ相互関係ニ於(おい)テ国家ノ政策ノ手段トシテノ戦争ヲ放棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳粛ニ宣言ス」(第1条)という規定は戦争観の歴史的転換を意味した。各国が付した留保、戦争のあいまいな定義、自衛権発動の恣意(しい)性など限界はあったが、むしろそのためにほとんどの国が次々と参加するところとなり、戦争違法化原則はその普遍性を確認されるに至った。
[濱口 學]
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…この結果,スペインはアメリカ大陸ですべての領土を失い,アメリカはカリブ海の支配を強め,極東進出の足場を築いた。(7)1928年8月27日に調印された戦争放棄に関する一般国際条約で,不戦条約,ケロッグ=ブリアン条約などとも呼ばれる。フランス外相ブリアンとアメリカ合衆国国務長官ケロッグは,国策の道具としての戦争を放棄する条約の締結を提唱した。…
…正式名称は〈戦争放棄に関する条約Treaty for the Renunciation of War〉という。署名地の名をとってパリ規約,主唱者であるフランス外相とアメリカ国務長官の名に因んでブリアン=ケロッグ規約,ケロッグ=ブリアン条約とも呼ばれる。1928年8月27日に署名され,翌年7月24日発効した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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