ゲルゼー文化(読み)ゲルゼーぶんか(英語表記)Gerzean culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルゼー文化」の意味・わかりやすい解説

ゲルゼー文化
ゲルゼーぶんか
Gerzean culture

エジプトの先王朝時代後期の文化で,前 3300~3100年頃に相当し,ナカダ II文化とも呼ばれる。標準遺跡カイロの南 100kmにあるゲルゼー遺跡。大規模な灌漑が取入れられたため,農業生産力は上昇し,村は町に発展し,国家統一の過程にあった。墓は数室をもつものや,内部を漆喰で塗り壁画を描いたもの (ヒエラコンポリス出土) も現れた。副葬品としては彩文土器注口土器,波状取手付き土器,各種パレット,洋なし形棍棒頭などがあり,銅製品も発達した。アジアとの交易は一層盛んとなり,円筒印章の出土が報告されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android