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コクトゥカクシノルム コクトゥカクシノルム

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

コクトゥカクシノルム

朝鮮の人形芝居。コクト閣氏劇ともいう。文献では三国時代高句麗楽にさかのぼるといわれる。半島各地で臨時の布幕を張って上演され,京畿,忠清,全羅,慶尚道などではナムサダン (男寺堂) という流浪芸人によって伝えられた。コクトゥカクシとは芝居に登場してくる人物名であるが,コクトゥとは中国語で傀儡を意味する「郭禿」,あるいはモンゴル語で怪物の面や仮面を意味する「コトクコチン」からきたという説がある。カクシ (閣氏) は「新婦,既婚の女性」,ノルムは「劇」の意味。赤褐色の顔に白や藍の斑点,ゆがんだ口をもつカクシの人形をはじめ,全身赤色,髪を結っているソムダン (小巫堂) ,イシミ (蛇竜) ,鳥,上佐 (僧) ,平安監司などの人形がある。楽器演奏者は人形遣いの前方の舞台の下で演奏し,人形遣いと才談 (せりふ) をかけあう。この形態とあわせて,上演内容も仮面劇と共通し,巫俗的な文化要素の残存,破戒僧に対する風刺,夫婦妾の三角関係と庶民層の生活相,ヤンバン (両班) の横暴と偽善の暴露,仏教への帰依などを主題とし,7~8幕に分けて見せる。せりふに合せた動作や次々に人間を飲み込んでしまう蛇などユーモラスな表現もある。

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