サブプライム問題(読み)さぶぷらいむもんだい

知恵蔵の解説

サブプライム問題

米国のモーゲージ市場においては、プライム、ニアー・プライム、サブプライムと商品は三分されている。このサブプライムに分類される商品の価格が著しく下落し、流動性が低下、調達していた消費者の破産が大幅に増加し、投資資産の財務の悪化から、金融機関の損失計上が続発した問題である。米国では多数の破産者も発生した。 格付け機関が、格付けに当たって、自らの利益を得るために、実際よりも高い格付けを与えてしまった可能性があると考えられている。つまり、格付け機関の利益相反が原因の一つかも知れないと考えられている。2007年2月ごろから、ヨーロッパで金融機関の変調がささやかれ始めた。同年5月ごろになると、米国での破産者急増が明らかになり、第3四半期決算で、シティバンク、メリル・リンチなど米国を代表する金融機関に多額の被害が出たことが明らかになり、問題の深刻さが認識されるようになった。以降、米国の金融機関は、産油国、アジア諸国などから多額の出資を仰ぐようになっている。 サブプライム問題がきっかけとなって、これまでの米国一極集中の資金の流れが変わる可能性があるとの意見が出始めている。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

サブプライム問題

サブプライムローンは米国の主に低所得層向け住宅融資。当初低い金利が2〜3年後に上昇するタイプが多い。低金利によるカネ余りを背景に貸し出し競争が激化し返済能力を超えた融資も行われ、06年ごろから焦げ付きが急増している。ローンの返済金を受け取る権利は「証券化」という手法で高利回りの金融商品に組み替えられ、世界中の金融機関に販売された。焦げ付き急増で証券化商品の価格が暴落。昨春以降、多数の金融機関で巨額損失が表面化し、総額は1300億ドル(約14兆円)に達する。英中堅銀では取り付け騒ぎも起きた。金融機関同士が資金をやりとりする市場が混乱し、日米欧の中央銀行が資金を大量供給するなどした。こうした信用不安が世界株安を招くとともに、米国では昨年10〜12月期の成長率が0.6%に急落。米国への輸出に依存して好景気が続いた世界経済も減速しつつある。

(2008-02-10 朝日新聞 朝刊 2総合)

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