精選版 日本国語大辞典 「一段」の意味・読み・例文・類語
いち‐だん【一段】
[1] 〘名〙
※延喜式(927)一「中臣進就レ座宣二祝詞一。毎二一段畢一祝部称唯」
※太平記(14C後)六「不思議の記文一段(ダン)あり」
③ =いったん(一反)①
⑤ 五十音図の横の一列。
[2] 〘副〙
① (多く「と」を伴って用いる) ひときわ程度がはなはだしいさま。きわだっているさま。いっそう。格別に。
※新撰万葉(893‐913)上「終霄対翫凝レ思処、一段清光照莫レ窮」
※咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上「一段とそこつ成(なる)小性」
② (「と」を伴い、後に打消の表現を伴って、打消の意を強めることが多い) いっこうに。全く。
※咄本・かす市頓作(1708)三「あたりのむかでをひろひとり、鍔(つば)にのせければ、百足一段と死なず」
[3] 〘形動〙
① ひときわ程度がはなはだしいさま。きわだっているさま。格別の。
② きわだってすばらしいさま。いっそうよいさま。
※浄瑠璃・平仮名盛衰記(1739)二「『達者過(すぎ)てめいわくを致ます』『夫(それ)は一段、どこにおいやる、対面したい』」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報