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サプロぺル さぷろぺるSapropel

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知恵蔵の解説

サプロぺル

酸素不足の環境下で積もった有機物に富む堆積(たいせき)物。日本語の適訳はまだない。東地中海の深海底に広く分布していることが知られ、2007年には学術研究船「白鳳丸」(海洋研究開発機構所属)が多くの試料を採取した。地中海の深層水は塩分が濃く、表層水より密度が大きいために上下混合が止まり、表層からの酸素の供給が不足する。一方ナイル川などから有機物に富む堆積物が大量に流れ込むが、有機物は酸化分解されずに蓄積している。同様の現象は氷期に海面が120mほど低下した時にほとんど閉鎖された黒海や日本海でも起こった。いずれも表層水は河川から流入する淡水と混じって塩分濃度が低く、密度が深部の海水よりも小さいために上下混合が停止し、海底は酸欠状態になる。鉄は硫化鉄になり、堆積物の色は真っ黒である。底棲(ていせい)生物は死滅し、海底下の生物擾乱(じょうらん)は起こらなかったので、季節や気候変動を反映する1mm以下のごく薄い水平な層がそのまま保存されている。有機物は時間が経てばバクテリアの働きでメタンになり、さらに厚く積もれば地熱の働きで石油などの炭化水素資源になる。

(小林和男 東京大学名誉教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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