日本大百科全書(ニッポニカ) 「サリン防止法」の意味・わかりやすい解説
サリン防止法
さりんぼうしほう
猛毒ガス・サリンを使った犯罪防止のために1995年(平成7)4月21日に施行された法律で、正式名称は「サリン等による人身被害の防止に関する法律」。平成7年法律第78号。サリンの「発散」、「製造・輸入・譲り受け・譲り渡し・所持」、「製造を目的にした原料物資の購入・提供」などの禁止規定が盛り込まれており、罰則は、発散が最高で無期、製造・所持・譲渡なども7年以下(発散目的は10年以下)の懲役と定めている。この法律は1995年3月に起きたオウム真理教(2000年アレフ、2003年アーレフ、2008年Aleph(アレフ)と改称)による「地下鉄サリン事件」を契機に成立したが、施行後、オウム真理教でVX、ソマン、タブン、イペリットなどとみられる毒ガス物質も製造されていたことが判明したことから、これらの物質も同法の規制対象とする政令も施行された。
[西田 隆]