VX
1950年代に英国、米国で開発された化学兵器用の神経剤で、人の神経伝達機能に障害を与えて死に至らせる。無味無臭で無色、または琥珀こはく色の液体。高濃度の場合は粘着性もある。液体や噴霧の形で使われる。揮発性が低くゆっくりと気化するため、毒ガスとしての効果が持続する特徴がある。皮膚などから吸収され、呼吸困難や意識障害、瞳孔の縮小などを引き起こす。サリンやタブンなど同じ神経剤の中で最も殺傷能力が強いとされ、「人類が作った化学兵器で最も毒性の強い物質」(専門家)とも言われる。(共同)
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出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のVXの言及
【化学兵器】より
…化学兵器の特徴としては,その使用法にも関連するが,一般に,作戦地域の風向・風速などの気象条件に効果が左右されること,戦闘員・非戦闘員の区別なく被害を与えること,建築物や兵器などには被害を与えないことなどがあげられる。 神経剤は神経機能をおかし死に至らしめる物質で,VX,サリン(GB),タブン(GA),DFP,ソマン(GD)などがある。神経の突起が次の神経細胞に接続する部分のシナプスでは,神経の興奮は化学伝達物質であるアセチルコリンによって伝えられる。…
※「VX」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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