タブン(その他表記)tabun

翻訳|tabun

デジタル大辞泉 「タブン」の意味・読み・例文・類語

タブン(tabun)

神経ガス一種アーモンドのようなにおいのする液体猛毒で、吸入すると呼吸筋麻痺まひにより窒息死する。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タブン」の意味・わかりやすい解説

タブン
tabun

有機リン系毒物で神経ガスの一種。毒性の強さでは VX,ソマン,サリンに次ぐが,開発されたのは最も早く,ヒトラー時代のドイツ。比較的簡単に合成でき,20℃で無色または淡黄色で無臭または弱い果実臭の液体。神経末端にアセチルコリンを蓄積することにより,筋肉の痙攣頻脈瞳孔縮小などの中毒症状を呈し,重症の場合には呼吸麻痺による窒息にいたる。イラン= イラク戦争で使用されたことで知られるが,日本でもオウム真理教が製造していたことから話題となった。

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世界大百科事典(旧版)内のタブンの言及

【化学兵器】より

…化学兵器の特徴としては,その使用法にも関連するが,一般に,作戦地域の風向・風速などの気象条件に効果が左右されること,戦闘員・非戦闘員の区別なく被害を与えること,建築物や兵器などには被害を与えないことなどがあげられる。 神経剤は神経機能をおかし死に至らしめる物質で,VX,サリン(GB),タブン(GA),DFP,ソマン(GD)などがある。神経の突起が次の神経細胞に接続する部分のシナプスでは,神経の興奮は化学伝達物質であるアセチルコリンによって伝えられる。…

※「タブン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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