サルゴン朝(読み)さるごんちょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サルゴン朝」の意味・わかりやすい解説

サルゴン朝
さるごんちょう

セム系民族のサルゴン1世が紀元前2350年ごろ南部メソポタミアに樹立したセム系王朝名。アッカド王朝ともよばれる。キシュ第4王朝の酒杯官であったサルゴンはキシュの王位を纂奪(さんだつ)し、メソポタミアに初めて領土国家を建設した。アッカド王朝の諸王は武力によりシリアアッシリアエラムまで勢力範囲を拡大し、武力により遠距離貿易も活発にした。後代の王朝表によれば、11王が197年間または181年間にわたり統治した。サルゴンが55年、リムシュが15年、マニシュトゥシュが7年、ナラム・シンが56年、シャルカリシャッリが25年、若干の空白を置いて4王が3年、ドゥドゥDuduが21年、シュドゥルルShudurulが15年である。前2150年ごろ、ザーグロス山脈に居住する山岳民族グチ人の侵攻を受けて滅亡した。

吉川 守]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサルゴン朝の言及

【アッシリア】より

…首都ニネベ),アッシュールバニパル(在位,前668‐前627ころ。首都ニネベ)までの4代は時にサルゴン朝と呼ばれ,90余年にわたって世界帝国が維持された。特にエサルハドンの治世には,版図はイラン西部からエジプト本土全域にまで及んだ。…

【サルゴン[2世]】より

…アッカド語ではシャッル・キンŠarru‐kin。新アッシリア時代末期に帝国の最盛期を現出した,4代95年にわたるサルゴン朝の創始者。おそらく前王シャルマネセル5世の弟で,王位簒奪者。…

※「サルゴン朝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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