サーダナマーラー(その他表記)Sādhanamālā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サーダナマーラー」の意味・わかりやすい解説

サーダナマーラー
Sādhanamālā

インド,パーラ朝 (8世紀中頃~12世紀後半) 時代に栄えた密教の修法と尊像との関係を記した代表的文献サーダナが「成就」,マーラーが「鬘 (まん) 」ないし「集」の意味で,特定の本尊に対し特定の修法を行い所願を成就する方法を集録したもの。多くの阿闍梨 (あじゃり) つまり祖師たちによって編まれた 312の所願成就法を載せ,1169年の筆写本最古のものとして有名。日本密教の御修法 (みしほ) の集録『阿娑縛抄 (あさばしょう) 』『覚禅抄』などと体裁,内容が似ている。『サーダナマーラー』には図像を載せていないが,現存するパーラ朝の諸尊像と同書の記述と合致するものが多く,同朝仏像研究の基本的文献史料としての価値が高い。

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世界大百科事典(旧版)内のサーダナマーラーの言及

【シルパシャーストラ】より

…《ビシュヌダルモータラ・プラーナ》などのようにプラーナタントラ,アーガマ(阿含)などの諸文献にも芸術論を扱う個所がある。仏教のものでは造像規定を扱う《サーダナマーラー》(一部が独立経典として漢訳されている)や,漢訳《造像量度経》,文殊菩薩の掛幅画に関する《マンジュシュリームーラカルパ》(漢訳《文殊師利菩薩根本儀軌》)などがよく知られている。【肥塚 隆】。…

※「サーダナマーラー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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