サーデクヘダーヤト(英語表記)Ṣādeq Hedāyat

改訂新版 世界大百科事典 「サーデクヘダーヤト」の意味・わかりやすい解説

サーデク・ヘダーヤト
Ṣādeq Hedāyat
生没年:1903-51

現代イランの代表的作家。テヘラン名門の出身。フランス留学(1926-30)中から,《生埋め》等の初期短編を著し,《三滴の血》(1932),《明暗》(1933),代表作《盲目のフクロウ》(1941。邦訳あり),《野良犬》(1942),《ハージー・アーガー》(1945)によって現代ペルシア文学の基礎をつくった。カフカらの西欧実存主義の影響を受けており,レザー・シャーの専制独裁的治下にあって作品はペシミズム狂気に彩られている。精神的孤独と苦悩のうちにパリでガス自殺した。イラン古代史やパフラビー語研究にも携わり,イラン民俗学の先鞭をつけた。
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