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フクロウ Strix uralensis; Ural owl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フクロウ
Strix uralensis; Ural owl

フクロウ目フクロウ科。全長 50~62cm。羽角はなく,顔は灰褐色で,だるまの顔に似る。眼は顔(顔盤)の前面についているため視野が狭く,それを補うために頸が 180°回転する。耳も頭部の横ではなく顔盤内の眼の横にある。羽色背面が暗褐色と黄褐色,白色のまだら模様で,喉から腹面はくすんだ白地に褐色の縦斑がある。虹彩は褐色。スカンジナビア半島からユーラシア大陸を東へオホーツク海沿岸,サハリン島,日本まで帯状に広がる地域と,不連続にヨーロッパ中部,南部に生息する。留鳥で,日本では全国の低地から山地の森林にすむ。夜行性で,日中は木の枝に留まり,夜間にネズミなどをとる。3~4月頃,木の穴や崖の穴,建物のすきまなどに白い卵を 2~4個産む。雄は「ごろすけほーほー」と聞こえる太い声で鳴く。昔は人家付近にも普通に見られたが,近年は減少している。なお,フクロウ科 Strigidaeは約 25属 210種に分類され,全世界に分布している。(→猛禽類

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百科事典マイペディアの解説

フクロウ

フクロウ科の鳥。翼長32cm。背面は黒褐色で黄白色や白色の斑紋散在。ユーラシア大陸中部に分布。日本では全国の低地〜低山の林に留鳥としてすむ。昼は梢の葉陰などで眠り,夜行性。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フクロウ
ふくろう / 梟
owl

広義には鳥綱フクロウ目フクロウ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この科Strigidaeには約120種が含まれる。全長14~70センチメートル、体のわりに頭部が大きく、ほかの鳥と違って目が顔の前面についているのが特徴である。多くの種では、目を中心として顔に顔盤とよばれるくぼみが発達している。嘴(くちばし)は短いが頑丈で、全体に鉤(かぎ)形に湾曲している。足も短いが頑丈で、足指には鋭くとがったつめがついている。羽色はどの種も全体にじみで、褐色や黒などからなっている。頭頂部に羽角(うかく)とよばれる長い羽毛をもつ種がおり、これらの種は多くの場合ミミズクという名がつけられている。この耳のようにみえる羽毛は、実際には飾り羽で、耳とは関係ない。耳は顔盤の下に隠れている。
 フクロウ類の大部分は夜行性または薄暮性である。聴覚および視覚は非常によく発達しており、完全な暗闇(くらやみ)の中でも採食することができる。フクロウ類の外観を特徴づけている顔盤は、集音器として、その下にある耳に音を集めるのに役だっている。耳は大きさ、位置ともに左右不相称で、左右の耳に入ってくる音のわずかなずれを利用して、音源の位置を正確に知ることができる。羽毛は非常に柔らかく、また風切羽(かざきりばね)の前縁がぎざぎざに切れ込んでいるため、飛んでいるとき羽音をほとんどたてない。
 夜の猛禽(もうきん)フクロウ類は、昼間の猛禽ワシ・タカ類と同様、小形哺乳(ほにゅう)類や鳥などを主食にしている。これらの獲物は、一般に枝上から地上に飛び降りてとらえる。一部の種は魚や昆虫を主食にしている。飛翔(ひしょう)している昆虫を主食にしているアオバズクNinox scutulataなどでは、聴覚による狩りが重要ではないため、顔盤の発達が悪い。繁殖期になると、雄は小鳥のさえずりに相当する種固有の鳴き声を発する。これによって縄張り(テリトリー)を構え、つがいを形成しているものらしい。一部の種では、雌も同様の声を出し、雌雄で二重唱することが知られている。巣は樹洞を利用することが多く、1腹2~5個の白色卵を産む。南北アメリカにすむアナホリフクロウSpeotyto cunicularisは、プレーリードッグなどがあけた地中の穴に営巣する。
 フクロウ類は南極を除くほぼ全世界に分布し、生息環境も森林から砂漠、あるいはツンドラにまでわたっている。種のフクロウStrix uralensisは、ヨーロッパからアジアの中部、北部にかけて分布し、よく茂った森林にすむ。全長50~60センチメートル、全体に灰褐色の羽色をしており、「ゴロスケ、ホーホー」と鳴く。日本でも一年中みられる留鳥である。[樋口広芳]

民俗

古代中国では、母親を食う不孝な鳥とされ、冬至にとらえて磔(はりつけ)にし、夏至にはあつものにして、その類を絶やそうとしたという。『五雑俎(ござっそ)』にも、福建などでは、フクロウは人間の魂をとる使者といわれ、その夜鳴きは死の前兆とされたとある。わが国江戸時代の『本朝食鑑』には、人家に近くいるときは凶であり、悪禽(あくきん)とされ、あるいは父母を食い、人間の爪(つめ)を食うと記す。西洋でも、フクロウは不吉な前兆を表す鳥とされ、古代ローマの皇帝アウグストゥスの死は、その鳴き声で予言されていた。ユダヤの律法を記す『タルムード』は、フクロウの夢が不吉であることに触れているし、『旧約聖書』の「レビ記」はけがれた鳥に数えている。しかし、古代ギリシアでは、アテネを守護する女神アテネの鳥として信仰され、現代でもアテネの神格を受け、知恵と技芸の象徴に用いられる。フクロウを集落の守護者とする信仰もある。北アメリカの先住民ペノブスコット人は、縞(しま)のあるフクロウは危険を予知し、警告するとし、パウニー人は夜の守護者といい、チッペワ人は剥製(はくせい)のフクロウを集落の見張り役とした。北海道のアイヌ民族は、シマフクロウを飼育し、儀礼的に殺して神の国に送り返す、シマフクロウ送りの行事を行う。[小島瓔

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