サーモカメラ(読み)さーもかめら(その他表記)thermocamera

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サーモカメラ」の意味・わかりやすい解説

サーモカメラ
さーもかめら
thermocamera

熱分布を画像として表示する装置の一般名で、正確には熱画像検査装置とよばれている。熱分布の計測には種々の方法があるが、現在では、体表から放出される赤外線を計測し、それを温度に変換する方法によって熱の分布図がつくられている。熱画像の分布図はサーモグラムとよばれ、小型の多素子の遠赤外線の検知用集積回路によって赤外線が検知され、それを白黒や疑似カラーの像へと表示するシステムが用いられている。テレビ放送に登場する気象衛星からの地表の温度像は、もっとも一般的な赤外画像であり、低温高層の雲は白く、高温の地表や海水の温度は黒く表されている。この装置は、小型化・非冷却素子化が進み、計測の容易な完全な受動型リモート・センシング装置として熱計測に関連したあらゆる分野で使用されている。とりわけ、工業、農業のほか、医療の分野では幅広い利用が進められている。

[藤正 巖]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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