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気象衛星 きしょうえいせいmeteorological satellite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

気象衛星
きしょうえいせい
meteorological satellite

気象観測を目的とする人工衛星静止気象衛星極軌道気象衛星がある。静止気象衛星は,高度約 3万6000kmの赤道上空を地球の自転と同じ 24時間周期で 1回転し観測するため地球からは静止しているように見え,広範囲を観測できる。極軌道気象衛星は,北極と南極を通る軌道を,経度をずらしながら観測する衛星であり,静止気象衛星が観測できない極地方が観測できるが,同じ地域は約 12時間間隔で 1日 2回の観測となる。(→タイロスエッサノアニンバスメテオールひまわり

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知恵蔵の解説

気象衛星

気象観測用の人工衛星。1960年に打ち上げられた米国のタイロス1号が最初。静止気象衛星にはひまわりと米国の2つのGOES(ゴーズ)、ロシアのGOMS、欧州気象衛星機構のMETEOSATがある。また、極軌道気象衛星には米国のノア、ロシアのメテオールがある。ノアは約850kmの高さで地球を南北に回り、雲や温度、水蒸気などの垂直分布、海氷、霧、海面温度を観測する。ひまわりは、2005年2月に打ち上げられた6号から航空管制機能も持つ運輸多目的衛星(MTSAT:Multi‐functional Transport Satellite)となり、06年2月に7号が打ち上げられた。地球表面からの可視光、赤外線、電波などから資源探査、海洋・大気観測を行うのが地球観測衛星。02年5月に米国、日本、ブラジル共同で打ち上げられたAqua(アクア)は、地球規模の水、エネルギー循環の解明を目指す。06年1月に打ち上げられた陸域観測技術衛星だいちは、地図作製や災害把握などに使われる。このほか、08年に打ち上げ予定の温室効果ガス観測技術衛星(GOSAT:Greenhouse gases Observing Satellite)など、様々な計画がある。

(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

きしょう‐えいせい〔キシヤウヱイセイ〕【気象衛星】

地球の気象状況を観測する人工衛星。可視光線赤外線を利用して雲や海面水温の分布などを観測し、上層風の流れなどの情報を地上局に送る。

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百科事典マイペディアの解説

気象衛星【きしょうえいせい】

気象観測用の人工衛星。雲の分布(雲画像の観測,中継),地球放射アルベド,海上のブイや船舶などで観測された気象データの中継,宇宙空間からの陽子,α粒子,電子などの到来数の測定,気温や風の第3次元的分布の測定などを行う。

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世界大百科事典 第2版の解説

きしょうえいせい【気象衛星 meteorological satellite】

気象要素を観測したり,無人の観測所や船舶等から気象観測資料等を収集する機能を持った人工衛星。地球表面から800~1000kmぐらいの高度を比較的短い時間(1時間40分前後)で地球を1周する中高度気象衛星と赤道の上空3万5786kmにある静止気象衛星がある。静止気象衛星は衛星直下点を中心に半径7000kmの円内を観測できるという利点があるが,赤道上空にあるために極付近の観測はできない。また小さな現象の観測にも不向きである。

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大辞林 第三版の解説

きしょうえいせい【気象衛星】

気象観測用の人工衛星。地球規模の雲分布、海面温度分布などを撮影し、大気の流れなどを知り、天気図の作成や台風の進路予測などに重要な役割を果たす。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

気象衛星
きしょうえいせい
meteorological satellite

データの収集・配信を目的として打ち上げられる人工衛星。気象衛星は、地球規模での雲、水蒸気、海面温度、海上風、降雨などを一日に何度も観測することで、天気予報や気候変動の研究などに活用される。
 気象衛星には静止衛星と極軌道の周回衛星がある。静止気象衛星を利用した地球全体の気象観測は、世界気象機関(WMO)の地球大気開発計画(GARP(ガープ))に基づく五つの静止衛星などで行われている。日本は1977年(昭和52)に最初に打ち上げられた静止気象衛星「ひまわり」で参画している。「ひまわり」は赤道上約3万6000キロメートルの静止軌道から、地球の約3分の1を常時観測する。5号機まではスピン安定式であったが、6号機以降は3軸制御衛星となり、8号機は2014年に打ち上げられ東経140度付近に静止している。8号機の観測センサーの機能・性能は格段に向上し、黄砂と噴煙の識別、集中豪雨の観測、火山灰、煙霧質(エアロゾル)の観測機能が向上した。分解能はこれまで可視光域で1キロメートルが0.5キロメートルに、赤外域では4キロメートルが2キロメートルに、撮像間隔は30分が10分に短縮された(日本付近は2分30秒ごとに常時監視が可能)。観測チャンネルはこれまでの5チャンネルから16チャンネルに増加し、カラー画像の作成が可能となった、8号と同じ機能の9号は2016年11月に打ち上げられ、8号のバックアップとして軌道上で待機している。データは通信衛星(JCSAT)経由で配信される。
 世界初の気象衛星はアメリカのタイロス1号TIROS1で、1960年に打ち上げられた。アメリカはその後GOES(ゴーズ)シリーズを1975年から打ち上げ、2016年時点では静止位置に3機(GOES-12、GOES-13、GOES-15)を配置し運用している。ロシアの新世代気象衛星Elektro(エレクトロ)-L(GOMS(ゴムス) 2号)は2015年に打ち上げられ、東経76度のインド洋上で運用中である。ヨーロッパではヨーロッパ気象衛星開発機構(EUMETSAT(ユーメットサット))が運用するMeteosat(メテオサット)シリーズで、7号(東経57度、1997)、8号(東経41.5度、2002)、9号(東経9.5度、2005)、10号(東経0度、2012)、11号(軌道上待機中、2015)がヨーロッパ、アフリカを中心に観測運用を実施している。インドは通信と気象観測機器を搭載したINSAT(インサット)シリーズを2003年から25機打ち上げ、2016年時点で12機を運用している。中国は風雲(FY)シリーズを打ち上げ、FY-2D(東経86度)、FY-2E(東経123度)、FY-2F(東経112度)、FY-2G(東経123度)の4機を配置している。中国は静止気象衛星のほかに、極軌道の周回気象衛星3機を運用している。韓国は海洋観測と気象観測の実証衛星であるCOMS(コムス)(千里眼)を2010年に打ち上げた。
 極軌道からの気象観測は、高度約1400キロメートルの円軌道で、軌道傾斜角を約102度にすることで南北両極の近くを通り、太陽の動きに同期させて午前9時あるいは午後3時など、毎日ほぼ同じ地方時に全世界を昼夜各1回観測することができるようにしている。これにより静止気象衛星がなしえないグローバルな気象情報や高緯度地方の海氷情報等を得ることができる。アメリカがNOAA(ノア)衛星、ロシアがMETEOR(メテオール)衛星を運用している。[森山 隆]
『気象衛星センター編『気象衛星画像の解析と利用 一般気象編』(2012・気象衛星センター) ▽伊藤譲司他著『ひまわり8号気象衛星講座』(2016・東京堂出版)』

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世界大百科事典内の気象衛星の言及

【宇宙開発】より

…また一方向的通信というべきものに放送衛星があり,これも静止衛星が利用できるようになって登場したものであって実用衛星の中では新しい歴史をもつ。宇宙通信衛星通信衛星放送
[気象観測]
 気象衛星は人工衛星から雲の画像をカメラでとって地上に送ってくるもので,アメリカはタイロス,ニンバスの各試験研究用,そしてエッサによる実用にはいずれも低高度衛星を用いた。ソ連のメテオールも同様な気象衛星である。…

【雲】より

…絹(巻)雲は昔は〈霊之雲〉とも呼ばれていたが,細い絹状などの構造をもち,絹(巻)積雲はよくまだら状を示し,絹(巻)層雲は一様な層状構造でよく日暈,月暈をかぶる。これらの雲はジェット気流の南側に広範囲に現れることを気象衛星が報じている。(b)中層の雲 高積雲,高層雲,乱層雲は対流圏の中層にできる雲(多くは水滴の雲で,上層に氷晶を含むことがある)で,この中層では上昇流も比較的活発なので,上層の雲と構造が異なっている。…

【軍事衛星】より

…軍事衛星には,次のような種類がある。
[通信衛星]
 戦略・戦術通信のほか,偵察衛星や気象衛星などのデータを中継する目的の衛星。民間の通信衛星とは使用周波数帯が異なり,対妨害性,秘匿機能および高い残存性をもつ。…

※「気象衛星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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