日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュレーダー(Rudolf Alexander Schröder)
しゅれーだー
Rudolf Alexander Schröder
(1878―1962)
ドイツの詩人。ブレーメン生まれ。人文主義とキリスト教を精神的土台として、叙情詩をはじめ散文、翻訳などに優れた業績を残す。叙情詩人としては審美主義から出発したが、つねに古典に範を求め、かつゲーテやヘルダーリンの伝統を継承しつつ、宗教的叙情詩に新生面を開く。『宗教詩百編』(1951)に代表される数多くの宗教詩は新教賛美歌の再興に寄与した。散文ではまた詩人の政治的、宗教的責任を再三問いかけている。翻訳はホメロスなどの古典、シェークスピア、フランス古典劇と広範囲に及び、その訳文は美的感覚と言語能力の豊かさに裏打ちされた格調の高さで定評がある。
[根本道也]