ショパン国際ピアノコンクール(読み)しょぱんこくさいぴあのこんくーる

知恵蔵 の解説

ショパン国際ピアノコンクール

5年に1度、フレデリック・ショパン命日である10月17日の前後3週間にわたって開催される、ショパンの曲のみを演奏するピアノコンクール。ショパンの誕生地、ポーランドワルシャワにある、国立フィルハーモニーで開かれる。世界的に優れたレベルの演奏家発掘育成を目的としており、エリザベート王妃国際音楽コンクールチャイコフスキー国際コンクールとあわせて世界3大ピアノコンクールと言われる、権威あるコンクールの一つ。
1925年、ワルシャワ音楽協会で活動していたショパン音楽院教授イェジ・ジュラブレフが、開催を申し出たことが始まり。27年にショパンを記念して創始され、現在、2005年の第15回まで開催されている。1937年に第3回が行われたあと、第2次世界大戦のため一時中断されるが、49年に再開。55年(第5回)からは、5年ごとに行われている。
第1回目の優勝者ソ連オボーリン。他、ポーランドのチェルニー・ステファニスカ(第4回)、イタリアのマウリツィオ・ポリーニ(第6回)、ロシアのスタニスラフ・ブーニン(第11回)などが優勝しており、過去の優勝者のほとんどが、世界的なピアニストとして活躍している。日本人では優勝者はおらず、初の入賞者が田中希代子(第5回・10位)。入賞者は他に中村紘子(第7回・4位)、内田光子(第8回・2位)、横山幸雄(第12回・3位)、佐藤美香(第14回・6位)などがいる。また、第14回で梯剛之がワルシャワ市長賞を受賞している。

(富岡亜紀子 ライター / 2009年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内のショパン国際ピアノコンクールの言及

【音楽コンクール】より

…コンクールの入賞者たちが大きく育っていけば,そのコンクールの名声が裏付けられてくるのである。こうした実績面からみると,チャイコフスキー国際音楽コンクールエリーザベト王妃国際音楽コンクールミュンヘン国際音楽コンクールジュネーブ国際音楽コンクール,ショパン国際ピアノ・コンクール(ポーランド,1927創設)などが群を抜いている。【成沢 玲子】。…

【ポーランド音楽】より

…とくにシマノフスキは民族的な現代音楽の創造者として音楽史上不滅の地位を築いた。1918年独立後のポーランドでは,音楽活動も活発になり,27年にショパン国際ピアノ・コンクール,35年にビエニアフスキ国際バイオリン・コンクールも組織された。K.シコルスキ,P.ペルコフスキ,G.バツェビチらの作曲家が進出し,ピアノ奏者のA.ミハウォフスキ,J.K.ホフマン,パデレフスキ,Z.ジェビェツキ,バイオリン奏者のB.フーベルマン,P.コハンスキ,H.シェリング,〈ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団〉の創立(1901)に尽くした指揮者のムイナルスキEmil Młynarski(1870‐1935),アメリカに帰化したA.ロジンスキらが内外で活躍した。…

※「ショパン国際ピアノコンクール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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