スエズ運河国有化(読み)スエズうんがこくゆうか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スエズ運河国有化」の意味・わかりやすい解説

スエズ運河国有化
スエズうんがこくゆうか

1956年7月 26日エジプト政府は,アスワン・ハイダムへのアメリカ,イギリス両国援助の申し出が撤回された直後,スエズ運河を経営してきた万国スエズ運河会社の国有化を宣言し,これを接収した。この措置を不法とするイギリス,フランスとエジプトとの交渉は決裂し,同年 10月両国は軍事介入してスエズ動乱へと発展した。その後,国連の事態収拾への努力が実を結んで同年末に両国は撤兵し,58年7月エジプトと会社間に補償協定が成立し,紛争は最終的に解決された。

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世界大百科事典(旧版)内のスエズ運河国有化の言及

【スエズ運河】より

…スエズ運河への発言権を失ったエジプトはその後イギリスによって植民地化され,スエズ運河に対する主権を回復するのは,第2次大戦後ナーセルの指導で成就したエジプト革命(1952)の後である。 すなわち,1956年エジプトはスエズ運河収益をアスワン・ハイ・ダム建設費に当てるため,スエズ運河国有化を宣言した。スエズ運河会社の大株主であった英仏はこれに反発し,イスラエルを語らってスエズ運河地帯に出兵した(第2次中東戦争またはスエズ動乱)。…

※「スエズ運河国有化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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