スカシマダラ

改訂新版 世界大百科事典 「スカシマダラ」の意味・わかりやすい解説

スカシマダラ (透斑)

鱗翅目マダラチョウ科スカシマダラ亜科Ithomiinaeに属する昆虫の総称。独立した科として扱われることがある。数百種が知られる。開張3.5~8cm。翅が横に細長く,胴が長いので,トンボマダラと呼ばれることもある。スカシマダラという名称は,多くの種の翅に鱗粉がほとんどなく,透明または半透明になっていることによる。褐色,黄色,黒色の横帯があり,ドクチョウ類(タテハチョウ科)の一部と互いに擬態しているものも多い。オーストラリア北東部からニューギニアにかけて分布する7種を除き,他は中南米に分布し,熱帯および亜熱帯の森林にすんでいる。幼虫の基本的な食草はナス科の有毒植物であり,成虫も体内にその有毒成分を含み,鳥類などの捕食を免れている。一部の種にはキョウチクトウ科植物を食べるものがあり,食性のうえでマダラチョウ亜科との関連を示す。スカシマダラ亜科に擬態する無毒のチョウ(シロチョウ科など)も多い。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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