スコット(Duncan Campbell Scott)(読み)すこっと(英語表記)Duncan Campbell Scott

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

スコット(Duncan Campbell Scott)
すこっと
Duncan Campbell Scott
(1862―1947)

カナダ詩人。長く政府インディアン行政に携わった。初期イギリス系カナダを代表する詩人で、洗練された西欧的教養と荒々しいカナダの原始との対立相克が、その作品に美しく結晶している。とくに詩集『新世界叙情詩とバラッド』(1905)のなかの「捨てられた人」は、インディアンの棄老習俗に基づく沈鬱(ちんうつ)にして鮮烈な詩編で、わが国の『楢山節考(ならやまぶしこう)』とも呼応する。ほかに『労働と天使』(1898)など10冊に近い詩集や二つの短編小説集などがある。

[平野敬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android