スフラワルディー教団(読み)スフラワルディーきょうだん

改訂新版 世界大百科事典 「スフラワルディー教団」の意味・わかりやすい解説

スフラワルディー教団 (スフラワルディーきょうだん)

スフラワルディーSuhrawardī(1097-1168)を創立者とするイスラム神秘主義教団タリーカ)。12世紀にバグダードでスフラワルディーのために修道場が建てられ,教団の基礎がつくられた。13世紀にはスフラワルディーの甥によって教団の活動が活発化し,このころからイスラム世界の各地に広がっていくようになった。シリアエジプトトルコなどに広まったが,この教団の活動が最も注目されるのは,インドにおいてである。13世紀にデリー・スルタン朝勢力をもつようになり,以後,インドの宮廷やスンナ派ウラマーと結びつき,勢力を拡大していった。その宗教的立場は逸脱的傾向に走らず,穏健なものであった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 古林 清一

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android